少女子をとめご)” の例文
髮に微笑ほゝゑみを含んで清い小川をがはの岸に寄りかかる少女子をとめご金雀花えにしだ、金髮の金雀花えにしだ色白いろじろ金雀花えにしだ清淨しやうじやう金雀花えにしだ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
右も左も見る限り、塩を含んだ荒砂は、冷たい浪の洗ふに委せて、此処は拾ふべき貝殻のあるでもなければ、もとより貝拾ふ少女子をとめごが、素足に絡む赤の艶立えんだつ姿は見る由もない。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
碾穀車こひきぐるまの鳴り響く水の上に、朽ち果てたる橋柱、黒き影を印して立てり。この景色心に浮べば、あの折の心輕げなる少女子をとめごさへ、扁鼓ひらづゝみ手にりて、「サルタレルロ」舞ひつゝ過ぐらむ心地す。
少女子をとめごも神さびぬらし天つそでふるき世の友よはひ経ぬれば
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ほととぎす安房下総あはしもふさの海上に七人ななたりききぬ少女子をとめごまじり
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
少女子をとめごがときめく心の臟をひそめをさめて
佐藤春夫詩集 (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
まだきも見ぬ少女子をとめご
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
背戸に人待つ少女子をとめご
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
燈火ともしにかざす少女子をとめご
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
鼠色の白楊はこやなぎよ、罪ありさうにふるへてゐる、全體ぜんたいどんな打明話うちあけばなしが、その蒼白あをじろい葉の上に書いてあつたのだらう、どういふ思出を恐れてゐるのだ、秋の小逕こみちに棄てられた熱に惱んだ少女子をとめごよ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
日かげにもしるかりけめや少女子をとめごが天の羽袖にかけし心は
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
少女子をとめごの歌も聞えず
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
少女子をとめごの花
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)