小蝦こえび)” の例文
まもなく久助とお雪は外の湯から帰って来て、ふな小蝦こえびをお茶菓子に、三人お茶を飲みました。そこへ、宿の番頭がやって来て
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
前日ぜんじつくちあさみぎはるゝ飴色あめいろ小蝦こえびしたを、ちよろ/\とはしつた——真黒まつくろ蠑螈ゐもりふたつながら、こゝにたけぢやうあまんぬる。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
青石横町にいると、五月雨さみだれの雨上りの日などすくい網をもって、三枚橋の下へ小蝦こえびや金魚をすくいに来たから、石段をおりれば道は知っていた。
しかし前菜、カクテール、小蝦こえび、野菜サラダ、大きい紐育ニューヨークステーキ、アイスクリームと、たいへんな御馳走である。珈琲コーヒーとパンは、もちろん無制限で、かつ無料である。
アラスカ通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
『久し振りだ。丁度いいところだから一杯飲め。まずそのさかなつまめ』という。見ると禿げちょろけた椀の蓋に手前が川で掴んで来たらしい一すんぐらいの小蝦こえびが二匹乗っかっている。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
小蝦こえびの歌
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
「いろいろございます、これが諏訪の明神様の絵図、こちらがおなじ明神様の神木でこしらえましたお箸、それから、湖水で取れました小蝦こえびふな……」
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
けれども、午飯ひるのおあつらえが持出されて、湯上りの二人と向合う、こちのあらいが氷に乗って、小蝦こえびと胡瓜が揉合もみあった処を見れば無事なものです。しかも女連おんなれんはビイルを飲む。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)