姉娘あねむすめ)” の例文
なか/\にときのはやりにまぬ服裝ふくさうの、かへつて鶯帶あうたい蝉羅せんらにして、霓裳げいしやう羽衣うい風情ふぜいをなせる、そこの農家のうか姉娘あねむすめの、さと伯母前をばぜふなりしを。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二人の娘は楽しそうに、波打際を徘徊しながら、蟹を追い貝を拾うに余念もなかったが、しばらくして姉娘あねむすめは急に叫んだ。
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
私は大体秩序を尊重そんちょうするたちだから、この手紙には強い反感はんかんをもった。我慢力が無いと内心いきどおった。それでも十五歳の姉娘あねむすめが心配し出した。行って見てくるという。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
織江には姉娘あねむすめのお竹と祖五郎という今年十七になるせがれがあって、家督人かとくにんでございます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
斯う噂をして居たが、和上に帰依きえして居る信者しんじやなかに、きやう室町錦小路むろまちにしきのこうぢ老舗しにせの呉服屋夫婦がたいした法義者はふぎしやで、十七に成る容色きりやうの好い姉娘あねむすめ是非ぜひ道珍和上どうちんわじやう奥方おくがた差上さしあいと言出いひだした。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
櫻草さくらさう、はつ春の姉娘あねむすめ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)