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妖異
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ようい
ふりがな文庫
“
妖異
(
ようい
)” の例文
せいろんへ——無作法な笑い声のあいだから
妖異
(
ようい
)
な諸国語を
泡立
(
あわだ
)
たせて、みんなひとまず、首府コロンボ港で欧羅巴からの船を捨てた。
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
われわれは、いかなる猟奇の男性も味わいえないほどの、極度の
妖異
(
ようい
)
を経験してきたのであります。あるときは深夜の墓地に死人と語りました。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
男も女も、一応
妖異
(
ようい
)
に対する恐怖心を起しかかったが、それは慾心によって簡単に撃退された。開いた鞄の中のすごい内容物はあらゆる問題を解決した。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
蝙蝠
(
こうもり
)
のごとく
逃
(
に
)
げあがっていた
蚕婆
(
かいこばばあ
)
が、呂宋兵衛あやうしと見て、例の
妖異
(
ようい
)
な
唇
(
くちびる
)
から、ふくみ
針
(
ばり
)
を吹いたのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
狐狸
(
こり
)
の
妖異
(
ようい
)
や、鳥の
面
(
つら
)
をした異形の
鬼魅
(
きみ
)
、そのほか
外道
(
げどう
)
頭とか、
青女
(
あおおんな
)
とか、そういった
怪物
(
あやしもの
)
が横行濶歩する天狗魔道界の全盛時代で、極端に
冥罰
(
めいばつ
)
や
恠異
(
かいい
)
を恐れたので
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
この場合、自分の家へ帰るような態度で海の中へ踏み込んで往くこの女の後姿には、実になんともいえない
妖異
(
ようい
)
を感ぜざるをえなかったというが、そりゃそうだろう。
早耳三次捕物聞書:04 海へ帰る女
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして女は極めて緩く鈍く薄笑いに笑った。それは笑いというべきものであったか、何であったか分らぬ、如何なる画にも彫刻にも無い、
妖異
(
ようい
)
で
凄惨
(
せいさん
)
なものであった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
管弦楽では山の
妖異
(
ようい
)
の夜宴を描いた「
禿山
(
はげやま
)
の一夜」が面白い。きわめて怪奇なものだが、手頃な交響詩だ。コロムビアのパレー指揮のレコードがすぐれている(J八三六五)。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
三人は夢中になって徳利のかけらにとびかかり、一つ一つ手に取って念入りに調べた、だがそれらはいささかの
瞞着
(
まんちゃく
)
も
機関
(
からくり
)
もない単なる徳利のかけらで、
妖異
(
ようい
)
を証明するなにものも存在しなかった。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
するとこの
夜陰
(
やいん
)
、おくの
曲輪
(
くるわ
)
にあたって、にわかにジャラン! ……と
妖異
(
ようい
)
な
鐘
(
かね
)
のひびきがゆすりわたった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太鼓についで、静かに起こる弦楽の音、十数張りのバイオリンのかなでるこの世のものならぬ
妖異
(
ようい
)
のしらべ。それにつれて、裸女の森林をゆるがす大音響がわき上がった。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あまりの
妖異
(
ようい
)
さに、長庵は
暫時
(
ざんじ
)
声を失ったが、やがて、夢中に同じ言葉をわめき立てていた。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
蛾
(
が
)
は
妖異
(
ようい
)
だ。夏なら知らず十二月、蛾が生きているはずがない——と思うと
灯取
(
ひと
)
り虫、一つ一つの
燭
(
しょく
)
をはたきまわって、
殿中
(
でんちゅう
)
にわかにボーッと暗くなってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三人はあまりの
妖異
(
ようい
)
に、ものいうことも忘れて、ふらふらと、裸女の幹から幹へとさまよっていった。かれらの右ひだりを、白、桃色、キツネ色の、あらゆる曲線が送りまた迎えた。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
妖
常用漢字
中学
部首:⼥
7画
異
常用漢字
小6
部首:⽥
11画
“妖異”で始まる語句
妖異評論