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大巖
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おほいは
半町ばかり
目の
前を、
火の
燃通る
状は、
眞赤な
大川の
流るゝやうで、
然も
凪ぎた
風が
北に
變つて、
一旦九段上へ
燒け
拔けたのが、
燃返つて、
然も
低地から、
高臺へ、
家々の
大巖に
激して
最う
目が
見えぬ、
一生の
大難でござりますと、
御新姐樣をお
拜み
申して、
此の二十
里先の
大巖の
不動樣と
申すのへ、お
籠りの
願掛けに
參りたい、と
泣いて
見せて、
最う
其れまでにも
毎々の