夜一夜よつぴて)” の例文
いまにおかへりにるでござりやしやう。宿やどでも心配しんぱいをしてりますで、夜一夜よつぴてねえでさがしますで、お前様めえさまは、まあ、やすまつしやりましたがうござります。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僕がそばに居ると智慧ちゑを付けて邪魔をると思ふものだから、遠くへ連出して無理往生に納得させるはかりごとだなと考着くと、さあ心配で心配で僕は昨夜ゆふべ夜一夜よつぴてはしない、そんな事は万々ばんばん有るまいけれど
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
前兆ぜんてうだつたぜ——おらたしか前兆ぜんてうだつたとおもふんだがね。あのまへばんから曉方あけがたまでの椋鳥むくどりさわぎやうとつたら、なあ、ばあさん。……ぎやあ/\ぎやあ/\夜一夜よつぴてだ。——おまへさん。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)