増長ぞうちやう)” の例文
近付ちかづけ主税之助は彌々いよ/\惡心増長ぞうちやうして藤五郎の命は此節に至りて實に風前の燈火ともしびよりもなほあやふけれども只腰元こしもとのお島一人ひそかに是をいたはり漸々と命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
面喰めんくらつたのは神奈川縣かながはけん警察部けいさつぶで、くのごと迷信めいしんを、すがまゝ増長ぞうちやうさしては
まへいたと思つてくのめのめと増長ぞうちやうしてわたしを出すとつたね。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「どうも百合子が少し増長ぞうちやうしていけない。」
二人の病人 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
人間にんげん増長ぞうちやうします。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
強面つれなくいたさるゝこと誠に朝夕目もあてられぬ次第故私し共三人の者種々いろ/\いさめ候へ共いさゝかも取用とりもちひ之なく非道の所置日々に増長ぞうちやう致すに付藤五郎も若氣わかげにて是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
亡者なきものとなし我また後役あとやくにならんと惡心あくしん増長ぞうちやうせし所役人へ遣はす賄賂わいろの金子に困り悴夫婦を江戸へかせぎに出し給金にて地頭役人をこしらへ先役に立歸たちかへらんと存じ此ことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)