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増長
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ぞうちやう
近付主税之助は
彌々惡心
増長して藤五郎の命は此節に至りて實に風前の
燈火よりも
猶危ふけれども只
腰元のお島一人
密かに是を
勞り漸々と命を
お
前は
眼が
開いたと思つて
宜くのめのめと
増長して
私を出すと
云つたね。
「どうも百合子が少し
増長していけない。」
強面致さるゝこと誠に朝夕目も
當られぬ次第故私し共三人の者
種々と
諫め候へ共
聊かも
取用ひ之なく非道の所置日々に
増長致すに付藤五郎も
若氣にて是を
亡者となし我また
後役にならんと
惡心増長せし所役人へ遣はす
賄賂の金子に困り悴夫婦を江戸へ
稼に出し給金にて地頭役人を
拵へ先役に
立歸らんと存じ此ことを