塩沢しほざは)” の例文
○さてかの茶店さてんにて雪の氷をめづらしとおもひしに、その次日より塩沢しほざは牧之ぼくし老人が家にありしに、日毎に氷々こほり/\とよびて売来る、山家やまが老婆らうばなどなり。
そしてちぢみの仲買商人になつた今でも、塩沢しほざはとか十日町とをかまちとか小千谷をぢやといふやうな、越後でも山の方の町や村から縮を買入れて来ると、この呉服問屋で買つて貰つてゐたのである。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
○さてかの茶店さてんにて雪の氷をめづらしとおもひしに、その次日より塩沢しほざは牧之ぼくし老人が家にありしに、日毎に氷々こほり/\とよびて売来る、山家やまが老婆らうばなどなり。
近来ちかごろの事なりき、我がすむ塩沢しほざはより十町あまり西南にあたりて田中村といふあり、此村に右の寒行かんぎやうをするものありけり。
我が住む塩沢しほざはの巽三里に清水村といふあり、此村もちの山に笈掛岩おひかけいはといふあり、高さ十丈あまりよこ二十五けんあり。
川辺かはべなどはたらく者にはかみにもシガのつく事あり、此シガ我が塩沢しほざはにはまれなり。おなじこほりうち小出嶋こいでしまあたりには多し、大河に近きゆゑ水気すゐきの霜となるゆゑにやあらん。
吾がすむ塩沢しほざは下組したぐみ六十八ヶ村の郷元がうもとなれば、郷元をあづかり知る家には古来こらい記録きろくのこれり。