堂宇だうゝ)” の例文
拙者せつしやふるくから此石とは馴染なじみなので、この石の事なら詳細くはししつて居るのじや、そもそも此石には九十二のあながある、其中のおほきあなの中にはいつゝ堂宇だうゝがある
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あなかず孔中こうちゆう堂宇だうゝの二證據しようこで、石は雲飛うんぴのものといふにきまり、石賣は或人より二十兩出してかつしなといふことも判然はんぜんして無罪むざいとなり、かくも石は首尾しゆびよく雲飛の手にかへつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
言はれて雲飛うんぴ仔細しさい孔中こうちゆうると果して小さな堂宇だうゝがあつて、粟粒あはつぶほどの大さで、一寸ちよつとくらゐではけつしてつかぬほどのものである、又た孔竅あなかず計算けいさんするとこれ亦た九十二ある。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)