在世ざいせ)” の例文
やすんじけりさるにてもいぶかしきは松澤夫婦まつざはふうふうへにこそ芳之助よしのすけ在世ざいせときだに引窓ひきまどけぶりたえ/″\なりしをいまはたいかに其日そのひ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そののち、折を見て、父が在世ざいせの頃も、その話が出たし、織次ものちに東京から音信たよりをして、引取ひきとろう、引取ろうと懸合かけあうけれども、ちるの、びるのでまとまらず、追っかけて追詰せりつめれば
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たゞぼんやりとすごしまするの、ひにはかれまするやうにりて、かなしかるべきこといまおもふてもらし、わたくし貴郎あなたのほかに頼母たのもしき親兄弟おやきようだいし、りてからちゝらう在世ざいせのさまはたまごと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)