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ざいせ
安んじけりさるにても
訝しきは
松澤夫婦が
上にこそ
芳之助在世の
時だに
引窓の
烟たえ/″\なりしを
今はたいかに
其日を
その
後、折を見て、父が
在世の頃も、その話が出たし、織次も
後に東京から
音信をして、
引取ろう、引取ろうと
懸合うけれども、ちるの、びるので
纏まらず、追っかけて
追詰めれば
唯ぼんやりと
過しまする
身の、
遂ひには
倦かれまするやうに
成りて、
悲しかるべき
事今おもふても
愁らし、
私は
貴郎のほかに
頼母しき
親兄弟も
無し、
有りてから
父の
與四
郎在世のさまは
知り
給ふ
如く