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土器色
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かはらけいろ
たとへば
月の
其の
本尊が
霞んで
了つて、
田毎に
宿る
影ばかり、
縦に
雨の
中へふつと
映る、
宵に
見た
土器色の
月が
幾つにも
成つて
出たらしい。
二ツ
三ツ
追続いて、すいと
飛んで、
車の
上を
宙から
上つたのが、アノ
土器色の
月の
形の
灯をふわりと
乗越す。
其が
案山子どもの
行く
方へ、
進めば
進み、
移れば
移り、
路を
曲る
時なぞは、スイと
前へ
飛んで、
一寸停まつて、
土器色を
赫として
待つ。ともすれば
曇ることもあつた。