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嗾
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けしか
ふりがな文庫
“
嗾
(
けしか
)” の例文
それを
嗾
(
けしか
)
けられた
狗
(
いぬ
)
のように、一方ばかり責めるとは何事だ。俺は牛飼を訴えて、村役人がどういうふうに処分するかを見てやるのだ。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
饑渇に迫られ、犬仲間との交を恋しく思って、時々町に出ると、子供達が石を投げつける。大人も口笛を吹いたり何かして、外の犬を
嗾
(
けしか
)
ける。
犬
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
給仕頭のガルボは奥様に
嗾
(
けしか
)
けられてこの犬のために大怪我をしたということですが、そういうことは他の犬の場合においては絶対にあり得ません。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「何を獨り言を言つて居るんだ。門口でモヂモヂやつて居ると、乞食坊主と間違へられて、犬を
嗾
(
けしか
)
かけられるぞ」
銭形平次捕物控:108 がらツ八手柄話
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
車前草
(
しゃぜんそう
)
などの繁った日当りのよさそうな平に出ると、斯ういう所には
蝮蛇
(
まむし
)
が甲良を干しているものだといいながら、犬を
嗾
(
けしか
)
けたり杖で草を叩いたりする。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
▼ もっと見る
要するに夫も私も、互いが互いを
嗾
(
けしか
)
け合い、
唆
(
そその
)
かし合い、
鎬
(
しのぎ
)
を
削
(
けず
)
り合い、どうにもならない勢いに駆られて夢中でここまで来てしまったのである。………
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
却ってお角に
嗾
(
けしか
)
けられて、主人のアグネスに飛びかかって、とうとう咬み殺してしまったというわけです。
半七捕物帳:59 蟹のお角
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だから、言わねえこっちゃねえ、あいつを、ああ
嗾
(
けしか
)
けて置きぁ、火の中へも飛び込むよ。あの勢いで押しかけて行った日にゃ、やにっこい役人はタジタジだぜ。何とかするよ。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鳩の首を
捩
(
ね
)
ぢようが、孔雀の雛を殺さうが、犬を
嗾
(
けしか
)
けて羊を追ひ𢌞さうが、温室の葡萄の
果
(
み
)
をちぎらうが、一番大事な花の
莟
(
つぼみ
)
を
毮
(
むし
)
らうが、誰ひとりとして、邪魔するものもなければ
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「何を独り言を言っているんだ。
門口
(
かどぐち
)
でモジモジやっていると、乞食坊主と間違えられて、犬を
嗾
(
けしか
)
けられるぞ」
銭形平次捕物控:108 ガラッ八手柄話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分ニハ実力ガナイ代リニ、美女ヲ美男ニ
嗾
(
けしか
)
ケテ、家庭ニ
紛紜
(
ふんぬん
)
ヲ起サセテ、ソレヲ楽シムコトハ出来ル。………
瘋癲老人日記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
嗾
(
けしか
)
けてみろ! 一言犬を嗾けてみろ! 犬もろとも一発の下に貴様を撃ち殺すぞ! ようく見ろ! 今夜の俺の顔を! 命が惜しくなくば犬を嗾けてみろ!」
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
彼女は次第に神経が
昂
(
たか
)
ぶって、物狂おしいほどに取りのぼせていた。ここでうっかり
嗾
(
けしか
)
けるようなことを云ったら、
病犬
(
やまいぬ
)
のような彼女は誰に
啖
(
くら
)
い付こうも知れなかった。
半七捕物帳:03 勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
むしろ、そういう見学は避けた方がよろしい、避けしめるのが、先輩のつとめというものだが、ここで
嗾
(
けしか
)
けるようなことを言う関守氏は、その言葉つきからしてわざと下品に砕けて
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
悲哀
(
トリステサ
)
に噛み付かれたという以上は、もちろん妻が怒りのために
悲哀
(
トリステサ
)
を
嗾
(
けしか
)
けたに違いなく、妻がそれほどまでに怒ったということは、やはりガルボが身分をも
弁
(
わきま
)
えず
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
翌
(
あく
)
る日、
池渫
(
いけさら
)
いに行った平次とガラッ八は、あまりの事に仰天しました。瓢々斎の
遺
(
のこ
)
した寺島の寮は、店仕舞と
煤掃
(
すすは
)
きと壊し屋を一ぺんに
嗾
(
けしか
)
けたほどの荒らしようです。
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
横目に金袋を
睨
(
にら
)
んで、口にはよだれという
体
(
てい
)
は、全く以て授かり物、渡りに舟と言おうか、一方の旦那は、
嗾
(
けしか
)
けて
資本
(
もとで
)
を貸して洛北岩倉村の賭場へ
推
(
お
)
しやろうとするのに、一方の野郎は
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いくら夫に
嗾
(
けしか
)
けられてもそういう道に
外
(
はず
)
れたことができるものかと、
反撥
(
はんぱつ
)
を感じていたのであったが、「キワドケレバキワドイホドヨイ」と云われるに及んで、私の心に急回転が起った。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何か力あって、この女性を後ろから
嗾
(
けしか
)
けるもののように
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「親分、馬吉を
嗾
(
けしか
)
けたのは誰でしょう」
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と雪子も
嗾
(
けしか
)
けるような口調で
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「親分、馬吉を
嗾
(
けしか
)
けたのは誰でせう」
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嗾
漢検1級
部首:⼝
14画
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使嗾
御使嗾
指嗾
使嗾者
嗾掛
示嗾