トップ
>
反齒
>
そつぱ
ふりがな文庫
“
反齒
(
そつぱ
)” の例文
新字:
反歯
『お誂へは?』と
反齒
(
そつぱ
)
の女中に問はれて、「天麩羅」と云はうとしたが、先刻の若い男の顏がチラリと頭に閃いたので
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
旦那はタバコの
脂
(
やに
)
の黒く染み込んだ
反齒
(
そつぱ
)
の口を大きく開いて、さも恩に着せるやうな調子でこんなことを言つた。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
振
(
ふり
)
むけての
面
(
おもて
)
を
見
(
み
)
れば
出額
(
でびたい
)
の
獅子鼻
(
しゝばな
)
、
反齒
(
そつぱ
)
の三五
郎
(
らう
)
といふ
仇名
(
あだな
)
おもふべし、
色
(
いろ
)
は
論
(
ろん
)
なく
黒
(
くろ
)
きに
感心
(
かんしん
)
なは
目
(
め
)
つき
何處
(
どこ
)
までもおどけて
兩
(
れう
)
の
頬
(
ほう
)
に
笑
(
ゑ
)
くぼの
愛敬
(
あいけう
)
、
目
(
め
)
かくしの
福笑
(
ふくわら
)
ひに
見
(
み
)
るやうな
眉
(
まゆ
)
のつき
方
(
かた
)
も
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あの聲は旦那であると思ふ間もなく、
反齒
(
そつぱ
)
の突き出た唇を尖がらして、小皺の多い旦那の顏は、頭の上から
覆
(
お
)
つ
被
(
かぶ
)
さるやうにして、お光の眞上に現はれた。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それは一つは、
葡萄
(
えび
)
色の緒の、穿き減した低い日和下駄を穿いてる爲でもある。肉の緊つた青白い細面の、醜い顏ではないが、少し
反齒
(
そつぱ
)
なのを隱さうとする樣に薄い脣を
窄
(
すぼ
)
めてゐる。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
と、旦那は
反齒
(
そつぱ
)
の口から
唾液
(
つば
)
を飛ばして
喋舌
(
しやべ
)
つた。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
齒
部首:⿒
15画
“反”で始まる語句
反
反古
反対
反駁
反身
反物
反故
反撥
反芻
反響