あぶの)” の例文
「あら! おあぶのうございますわ。」と、赤い前垂掛の女中姿をした芸者達に、追いまとわれながら、荘田しょうだ勝平は庭の丁度中央まんなかにある丘の上へ、登って行った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
曲「あゝ痛うごぜえます、ああぶのうございます、鼻の先へ……えゝ仕方がないから申上げますが、実はなんでごぜえます、わたくしが主人に頼まれてほかへ持っていく手紙でごぜえます」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
まア、そんなことをなさいましては、おあぶのうございましてよ。これからは、なるだけどうぞ、お家にいらして下さいまし。今はあたくしたちの仲間の者は、あなた方には何をするかしれませんわ。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
長くおいでくださいましては物怪もののけの来ている所でございますからおあぶのうございます。病気のこんなに悪くなりました時分に、おいでくださいましたことも深い御因縁のあることとうれしく存じます。
源氏物語:14 澪標 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「ああお坊ちゃまあぶのおございます」では見ていても切ないもの。
「おあぶのうございますが、どうかこれを」
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
寒山拾得かんざんじっとくあぶのうございますよ」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「御家来さん、あぶのうがしたな。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
菊「お路地のお草履ぞうり此処これにあります、飛石とびいしへおつまずき遊ばすとあぶのうございますよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(おあぶのうござんすから。)
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
曲「あゝあぶのうごぜえやす、鼻の先へ刀を突付けちゃア……どうぞ御勘弁を」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(おあぶのうござんすから、)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)