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初袷
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はつあわせ
ふりがな文庫
“
初袷
(
はつあわせ
)” の例文
母親のお豊は長吉が
初袷
(
はつあわせ
)
の薄着をしたまま、千束町近辺の出水の混雑を見にと夕方から夜おそくまで、泥水の中を歩き廻ったために
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
サト子が、先に行って待っていると、叔母は、
初袷
(
はつあわせ
)
のボッテリしたかっこうで茶の間へ出てきて、食卓につくなり、トースターでパンを焼きだした。
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
四月はじめの大空は蒼々と晴れて、町には
初袷
(
はつあわせ
)
の男や女が賑わしく往来していた。昔ほどの景気はないが、それでも初鰹を売る声が威勢よくきこえた。
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何か
仔細
(
しさい
)
の有りそうな、もとは良家の青年らしく、
折角
(
せっかく
)
染めた木綿の
初袷
(
はつあわせ
)
を、色もあろうに
鼠色
(
ねずみいろ
)
に染めたと、若い
身空
(
みそら
)
で仏門に入ったあじきなさを
歎
(
たん
)
じていると
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
初袷
(
はつあわせ
)
を着、風も秋めくと、毎日のように、江戸のどこかしらで、笛太鼓の音の聞えない日はない。わけて浅草界隈は、祭というと、
裏店
(
うらだな
)
まで
綺羅美
(
きらび
)
やかに賑わう。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
鉄無地の
道行
(
みちゆき
)
半合羽
(
はんがっぱ
)
、
青羅紗
(
あおらしゃ
)
の
柄袋
(
つかぶくろ
)
、
浅黄
(
あさぎ
)
甲斐絹
(
かいき
)
の
手甲脚半
(
てっこうきゃはん
)
、
霰小紋
(
あられこもん
)
の
初袷
(
はつあわせ
)
を裾短かに着て、袴は穿かず、鉄扇を手に持つばかり。斯うすると竜次郎の男振りは、
一入
(
ひとしお
)
目立って光るのであった。
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
初袷
(
はつあわせ
)
にくまれざかりに早くなれ
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
慶三は大島の
初袷
(
はつあわせ
)
に
節糸
(
ふしいと
)
の羽織を重ね、電車を待つ
振
(
ふり
)
で時間通りに四辻の乗換場に
彳
(
たたず
)
み三田行と書いた電車の留まる度、そこから
降来
(
おりく
)
る人をば一人一人一生懸命に見張っていた。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夏は
唐人扇子
(
とうじんせんす
)
をパチつかせ、冬はぼろ隠しの十徳を着て、
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
としている源内が、仕立ておろしの
初袷
(
はつあわせ
)
をつけて、いつになくこざっぱりしていたのは、季題はずれのように衆目をひいた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
袷
漢検準1級
部首:⾐
11画
“初”で始まる語句
初
初心
初々
初手
初夏
初春
初陣
初秋
初午
初旬