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刀槍
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とうそう
ふりがな文庫
“
刀槍
(
とうそう
)” の例文
或る宗徒の一団七、八百人の隊は、残暑の
陽
(
ひ
)
がかんかん
焦
(
い
)
りつける炎天へ、半裸体のまま
刀槍
(
とうそう
)
を手に
揮
(
ふる
)
って、城中から突き出し
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
苦悶の跡も、
刀槍
(
とうそう
)
の傷も、毒物の斑点もないのですから、卒中か
心
(
しん
)
の病の頓死といっても、誰も疑う者はなかったでしょう。
銭形平次捕物控:089 百四十四夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
闇討ちや
刀槍
(
とうそう
)
の
威迫
(
いはく
)
にはいっこう驚かぬ剛愎な連中も、さすがにどうも
膚寒
(
はださむ
)
い気持で、その話にだけはなんとなく触れたくなく、
諜
(
しめ
)
しあわしたように口を
噤
(
つぐ
)
んでいた。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ゆるらかに幾尺の水晶の
念珠
(
ねんじゅ
)
を引くときは、ムルデの河もしばし流をとどむべく、
忽
(
たちま
)
ち迫りて
刀槍
(
とうそう
)
斉
(
ひとし
)
く鳴るときは、むかし
行旅
(
こうりょ
)
を
脅
(
おびやか
)
ししこの城の
遠祖
(
とおつおや
)
も
百年
(
ももとせ
)
の夢を破られやせむ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
後に
大膳太夫盛忠
(
だいぜんだゆうもりただ
)
というものについて槍術を覚え、それより自ら一流を開いたものでござるが、もとより武芸は出家の心でない、覚禅房は
刀槍
(
とうそう
)
を好んで、かくは一流を開きましたなれど
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
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四壁はすべて声なき
刀槍
(
とうそう
)
に感じられた。秀吉の眼は、光る穴みたいに見すえている。いやともいえ、おうともいえ、と
促
(
うなが
)
している
眼
(
まな
)
ざしだ。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゆるらかに幾尺の水晶の
念珠
(
ねんじゅ
)
を引くときは、ムルデの河もしばし流れをとどむべく、たちまち迫りて
刀槍
(
とうそう
)
ひとしく鳴るときは、むかし行旅をおびやかししこの城の
遠祖
(
とおつおや
)
も
百年
(
ももとせ
)
の夢を破られやせん。
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
忽ち、彼の前後に、
刀槍
(
とうそう
)
が
閃
(
ひら
)
めいた。当然、どこかで出会うであろうと、予測していた敵兵である。光秀は、駒を止め
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
峨々
(
がが
)
たる山容は、登るほど
嶮
(
けわ
)
しくなり、雨の日に洗い流された道は、河底をなしている。万樹はあだかも
刀槍
(
とうそう
)
を植えたようで、
虎豹
(
こひょう
)
の
嘯
(
うそぶ
)
きを思わせる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
両陣数千の兵も馬もまた
刀槍
(
とうそう
)
の光も——まるで
飛沫
(
しぶき
)
に
翻弄
(
ほんろう
)
される
千鳥
(
ちどり
)
の大群か何ぞのように見えもした。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやいや、
刀槍
(
とうそう
)
を
押
(
お
)
っ取って、出て来た者は片づけ
易
(
やす
)
かったが、悲鳴をあげて逃げまわる召使の女たちや老婆には
困
(
こう
)
じ果てた。そのほうがよほど始末に弱った」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“刀槍”の意味
《名詞》
刀と槍。武器。
(出典:Wiktionary)
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
槍
漢検準1級
部首:⽊
14画
“刀槍”で始まる語句
刀槍剣戟
刀槍矛戟