全速力ぜんそくりょく)” の例文
全速力ぜんそくりょくで走ってる汽車をとめるのは、よういなことではありません。あまりきゅうにとめますと、脱線だっせんしてひっくりかえる心配しんぱいがあります。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そのとき、アッカは首をのばし、つばさを力づよくって、全速力ぜんそくりょくで飛んでいきました。いまこそ、いくべきところがわかったのです。
しろおとこると、運転手うんてんしゅは、ハッとおもって、あわただしく警笛けいてきらしました。なぜなら、汽車きしゃがちょうど全速力ぜんそくりょくしてはしっていたからであります。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ついさっきまで、じぶんは、天国てんごくにいるものとばかり思っていたのですからね。ガンの隊長たいちょうアッカは、全速力ぜんそくりょくで空高くいあがりました。
私たちはその後姿うしろすがたをみおくって、大わらいをしながら、おくらした時間じかんをとりかえすために、汽車を全速力ぜんそくりょくで走らせました。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そのとき、汽車きしゃは、全速力ぜんそくりょくしてはしっていたので、あたまうえあみだながギイギイとおとをたてていました。そのたびに、バスケットもれています。としちゃんは
古いてさげかご (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのまえまで、そんな老人ろうじんあるいていることにづかなかったのです。わたしはひくまいとおもって、全速力ぜんそくりょくわきほうへそれますと、そのとたんにやってきた電車でんしゃ衝突しょうとつしたのでした。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)