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きょうきょ
ふりがな文庫
“
僑居
(
きょうきょ
)” の例文
天民名ハ行、
常陸
(
ひたち
)
ノ人ナリ。
袁子才
(
えんしさい
)
ヲ景倣シテ詩仏ト号ス。天民ノ父
諱
(
いみな
)
ハ光近医ヲ業トシ宗春ト称ス。江戸ニ来ツテ銀街ニ
僑居
(
きょうきょ
)
ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ある日の夕暮れなりしが、余は
獣苑
(
じゅうえん
)
を漫歩して、ウンテル・デン・リンデンを過ぎ、わがモンビシュウ街の
僑居
(
きょうきょ
)
に帰らんと、クロステル
巷
(
こう
)
の古寺の前に
来
(
き
)
ぬ。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
君の親戚が当時余の
僑居
(
きょうきょ
)
と同じく
原宿
(
はらじゅく
)
にあったので、君はよく親戚に来るついでに遊びに来た。親戚の家の
飼犬
(
かいいぬ
)
に噛まれて、用心の為数週間芝の
血清
(
けっせい
)
注射
(
ちゅうしゃ
)
に通うたなぞ云って居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
さて、予帰朝後この田辺の地に
僑居
(
きょうきょ
)
し、毎度高橋入道討ち死にの話を面白く語った。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
雪の下の
僑居
(
きょうきょ
)
の筋向いに
挿花
(
そうか
)
の師匠が住んでいて、古流では名人に数えられていた。その家の入口の
前坪
(
まえつぼ
)
に四つ目を
結
(
ゆ
)
って、その内側に、やっと四、五尺に伸びた御柳がうえてある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
手紙は
点滴
(
てんてき
)
の響の
裡
(
うち
)
に
認
(
したた
)
められた。使が
幌
(
ほろ
)
の色を、打つ雨に
揺
(
うご
)
かして、一散に去った時、叙述は移る。最前宗近家の門を出た第二の車はすでに孤堂先生の
僑居
(
きょうきょ
)
に
在
(
あ
)
って、応分の使命をつくしつつある。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
十月十三日 素十
僑居
(
きょうきょ
)
。
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
築地本願寺畔の
僑居
(
きょうきょ
)
に稿を起したわたしの長篇小説はかくの如くして、遂に
煙管
(
キセル
)
の
脂
(
やに
)
を拭う
反古
(
ほご
)
となるより外、何の用をもなさぬものとなった。
十日の菊
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この恩を謝せんとて、自らわが
僑居
(
きょうきょ
)
に
来
(
こ
)
し少女は、ショオペンハウエルを右にし、シルレルを左にして、
終日
(
ひねもす
)
兀坐
(
こつざ
)
するわが読書の
窓下
(
そうか
)
に、一輪の名花を咲かせてけり。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ある日田舎の人が二人青山高樹町の
彼
(
かれ
)
が
僑居
(
きょうきょ
)
に音ずれた。一人は石山氏、今一人は同教会執事角田新五郎氏であった。彼は牧師に
招聘
(
しょうへい
)
されたのである。牧師は御免を蒙る、然し村住居はしたい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
まだ築地本願寺側の
僑居
(
きょうきょ
)
にあった時、わたしは大に奮励して長篇の小説に筆をつけたことがあった。
十日の菊
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
酔ヘバ則チ一世ヲ
睥睨
(
へいげい
)
シ、モシ意ニ
忤
(
もと
)
ルコトアレバ、
輙
(
すなわ
)
チ面折シテ人ヲ
辱
(
はずか
)
シム。
是
(
ここ
)
ヲ以テ
益〻
(
ますます
)
窮ス。シカモソノ志ノ潔ナル世知ル者ナシ。文久二年壬戌十一月二十八日病ンデ江戸
不忍池
(
しのばずのいけ
)
ノ
僑居
(
きょうきょ
)
ニ没ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
僑
漢検準1級
部首:⼈
14画
居
常用漢字
小5
部首:⼫
8画
“僑”で始まる語句
僑