仕損しそこ)” の例文
あ「いゝえおっかさんは今日は五度いつたび御膳をあがって、しまいにはお鉢の中へ手を突込つッこんであがって、仕損しそこないを三度してお襁褓しめを洗った」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まア、お勢ちゃん、大変ねエ——その姿で町を歩くと、身投げの仕損しそこないと間違えられるわよ。お秀さんの家はすぐそこだから、ともかく浴衣ゆかたでも借りて帰っちゃどう?」
そのあかつきなにかいさゝか仕損しそこなゐでもこしらゆればれは首尾しゆびよく離縁りえんになりて、一ぽんだち野中のなかすぎともならば、れよりは自由じゆうにて其時そのとき幸福しやわせといふことばあたたまへとわらふに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「おできなのか。おれはまた心中でも仕損しそこなったのかと思ったのだ。」
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)