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乾酪
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チーズ
ふりがな文庫
“
乾酪
(
チーズ
)” の例文
色黄褐で香気は
葱
(
ねぎ
)
と
乾酪
(
チーズ
)
を
雑
(
まじ
)
えたごとし。だから屁にもちょっと似て居る。秋末、柳や白楊や樫の林下の地中また時として耕地にも産す。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
いま二人が坐っている真下あたりの縁の下で、何かの死体
蛋白
(
たんぱく
)
が
乾酪
(
チーズ
)
のように醗酵しかけていることを、はっきりと、覚った。
昆虫図
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
若し牛を飼ふとすれば、種を目的とするか、然らざれば、バタや
乾酪
(
チーズ
)
、鑵詰などを製するまで行かなければうそだと考へた。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
懇意な人たちが餞別であるといって
蕎麦
(
そば
)
、パン、
マル
(
バター
)
、
乾酪
(
チーズ
)
、
乾桃
(
ほしもも
)
、中にはカタと銀貨をくれた者も四、五名ございました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
自己ならびに過去を語るを好み、向上心に乏しく、安逸と
独逸
(
ドイツ
)
風のビールと
乾酪
(
チーズ
)
をむさぼる。人を見ると名刺をつき出し、署名を求める癖あり。
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
▼ もっと見る
乾酪
(
チーズ
)
の中で、いくら虫が動いても、乾酪が元の位置にある間は、気が付かないと同じ事で、代助もこの微震には
殆
(
ほと
)
んど自覚を有していなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また
乾酪
(
チーズ
)
を一口
銜
(
ふく
)
んで吐き出すとしても、そこいらにペッと唾をするではなく、人にわからぬように、そうっと
掌
(
たなごころ
)
に受けて、人知れず棄てるところなぞ
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
あるいは大きなスティルトン
乾酪
(
チーズ
)
★
のような、実に驚くべき帽子をかぶっているということを、ロリー氏があわてているうちにも認めた、一人の荒っぽそうな婦人が
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
東から北へと
勾欄
(
こうらん
)
へついて眼を移すと、柔かな物悲しい赤と
乾酪
(
チーズ
)
色の丘陵のうねりが
閑
(
のど
)
かな日光の反射にうき出している隣に、二つの
円
(
まる
)
い緑の丘陵が大和絵さながらの色調で並んで
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
そばへ寄るときっとラックフォルト
乾酪
(
チーズ
)
と
酸菜
(
サワクラウト
)
のにおいのしそうな、
伯林
(
ベルリン
)
ドロティン・ストラッセ街から来た紳士がいるでしょう? あの肥った、そら
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
牛酪
(
バター
)
、
乾酪
(
チーズ
)
口当り次第平らげたので、住民途方に暮れ猫を多く育てたが、猫一疋に鼠二十疋という多数の敵を持ちあぐんで気絶せんばかりに弱り込んだ。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼等は青年をテルソン銀行ロンドン商社に採用した時には、その青年が老年になるまで彼をどこかに隠しておく。彼等は彼を
乾酪
(
チーズ
)
のように暗い場所に貯蔵しておくのだ。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
白楊
(
ポプラ
)
の防風林をひかえた丘の蔭には牛乳を搾ったり
牛酪
(
バタ
)
や
乾酪
(
チーズ
)
をこしらえる「
仕事場
(
アトリエ
)
」と呼んでいる三棟ばかりの木造の建物。雲の塊のような緬羊が遊んでいる広い牧場。
葡萄蔓の束
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
乾酪
(
チーズ
)
をあまり喜ばなかった。一口口に
銜
(
ふく
)
むと、ほろ苦い顔をして吐き出してしまった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
いうところの国民文化の高い国だけに何もかもが智的——
智的
(
インテリジェント
)
な牛乳と智的な
乾酪
(
チーズ
)
、智的な玉子と智的な——とにかく、ながらく表面から忘れられていた種族が
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
朱塗の大きな
円卓
(
えんたく
)
をかこんで、格式張ったお役人ふうなのをひとりまぜ、
大商賈
(
おおどこ
)
の主人とも見える
人体
(
じんてい
)
が四人、ゆったりと椅子にかけ、
乾酪
(
チーズ
)
を肴に葡萄酒の杯をあげている。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
五日ほどののち、団六のところで将棋をさしながら、青木が、フト畳の上を見ると、
乾酪
(
チーズ
)
の中で見かけるあの小さな虫が、花粉でもこぼしたように、そこらいちめんウジョウジョと這い廻っていた。
昆虫図
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
“乾酪”の意味
《名詞》
乾酪(かんらく)
チーズ。
(出典:Wiktionary)
乾
常用漢字
中学
部首:⼄
11画
酪
常用漢字
中学
部首:⾣
13画
“乾”で始まる語句
乾
乾児
乾坤
乾分
乾物
乾燥
乾坤一擲
乾干
乾草
乾枯