丸屋まるや)” の例文
家に伝わった俳名三升さんしょう白猿はくえんの外に、夜雨庵やうあん、二九亭、寿海老人と号した人で、葺屋町ふきやちょうの芝居茶屋丸屋まるや三右衛門さんえもんの子、五世団十郎の孫である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
左様さやうでございますか、わたしひさしい以前いぜん二のとりの時に一人ひとりつれがあつて丸屋まるやあがり、あなたが出てくだすつて親切にしてくだすつた、翌年よくねんのやはり二のとりの時にひさりで丸屋まるやあがると
わたしはそのころ牛込うしごめ南榎町みなみえのきちやうんでたが、水道町すゐだうちやう丸屋まるやから仕立上したてあがりを持込もちこんで、あつらへの疊紙たゝうむすいたときは、四疊半よでふはんたゞ一間ひとま二階にかい半分はんぶん盛上もりあがつて、女中ぢよちうほそまるくした。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)