不身持ふみもち)” の例文
……貴下あなたまへでござりますが、われながら愛想あいそきた不身持ふみもちでござりまして、毎々まい/\をとこ面目玉めんぼくだま溝漬どぶづけ茄子なすらうとするところを、幾度いくたびすくひいたゞいたかわかりません。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その結果、伴蔵の女房おみねは夫の不身持ふみもちを怒って、果ては嫉妬半分お前が「萩原様を殺して海音如来のお像を盗み取って、清水の花壇の中へ埋めて置いたじゃないか」
孝「いえ、それと申しまするのも親父の不身持ふみもち愛想あいそうを尽かしての事でございます」
たまたま他人の知らせによってその子の不身持ふみもちなどの様子を聞けば、これを手元に呼びて厳しく叱るの一法あるのみ。この趣を見れば、学校はあたかも不用の子供を投棄する場所の如し。
教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
万太郎の放縦な行蹟ぎょうせきが、こういう大事をひき起こすのだとあって、この晩の騒ぎが動機となり、平常の不身持ふみもちな事実までが、数かぎりなく大殿中将おおとのちゅうじょうの耳に入って、とうとう万太郎、その翌日は
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其方儀若年より不身持ふみもちに付兄九郎右衞門勘當かんだうを受け相摸國さがみのくに殿場てんば村百姓條七世話に相成居候中惡法あくはふを以て條七を難病に罹らせ同人つまてつ密通みつつうの上條七を追出し家屋敷いへやしき田畑たはた家財等かざいとう押領あふりやう致し條七娘里を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼の養父筑阿弥は、その後も相かわらず不身持ふみもちであったらしい。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)