不慮ふりよ)” の例文
大切に勤めし故主人の氣にかなひ店の支配しはいをも任せられ私し儀も安堵あんど致し居候に昨年不慮ふりよの儀にて永のいとまに相成廿餘年の勤功きんこう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
細川越中殿不慮ふりよ之御事、さても——無常変転、今不始事いまにはじまらざることながら、今程昔語に被為成候なされさふらはんとは、誰も難思事共に候。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『しかし、美濃守殿みののかみどのも、不慮ふりよのことでなう。江戸表參覲えどおもてさんきんがけに、ものなか頓死とんしするといふのは椿事中ちんじちう椿事ちんじだ。』と、但馬守たじまのかみ言葉ことばは、といふことになると
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
云出しければお光は大いに驚怖おどろきて是は/\忠兵衞樣をつと道十郎不慮ふりよのことにて死去しきよ致してより八ヶ年の其間そのあひだせがれの脊だけのびるのをたゞたのしみに此世を送り人に後指うしろゆび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
上げ能こそ尋ね參られたり彦兵衞殿は不慮ふりよの事にて相果あひはてられ嘸々さぞ/\力落ちからおとなるべしと云に彦三郎は涙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)