“万一(もしも)” の例文
旧字:萬一
誠に心配で、万一(もしも)の事でもありはせんか、有った時には御順家督(ごじゅんかとく)で、何うしても御舎弟紋之丞様を直さねばならん、ところがその
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ハイ……でも……実は、忰(せがれ)が、来年大学を卒業致しますので、それまでに万一(もしも)の事がありましては申訳ありませんから、念のために是非一ツ……」
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
女の身体というものは、へえ油断がならねえ。あれで血の道でも起ってからに、万一(もしも)の事が有って見ろ。これが巡査(おまわり)さんの耳へ入(へい)ったものならお前はまあどうする気だぞい——痴児(たわけ)め。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
時に旦那さま、そう申せばこの頃は何とやら大層世間が騒々しいそうで御座りますが、此方様(こちらさま)に私見たようなものがおりまして万一(もしも)の事でもありましたらと、それがもう心配でなりません。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
秦泉寺には一人の母がございまして、私に万一(もしも)のことでもありますと、母がどんなに嘆くであろうと思いますと、死にもならず、兎に角秦泉寺へ参りまして、母に一目逢うたうえでと思いまして
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「お前が万一(もしも)のことがあれば、このお母さんは生きていられないよ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『だつて私、万一(もしも)の事があつたら、宿の小母さんに甚麽(どんな)にか……。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ねえお母さま、あなた私の身をお厭(いと)いなすって、あなたに万一(もしも)の事でも有りますと、矢張(やっぱ)り私が仕様がないじゃア有りませんか
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の上今迄引続いて苦労ばかりして居りますので、身体が大概傷(いた)んで居ります処へ又牢へ這入り寒い思いをして、彼に万一(もしも)の事でも有りますと、私は此の通り腰が抜けて居る
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
萩原様に万一(もしも)の事がありましては私共夫婦の暮し方が立ちませんから、どうか暮し方の付くようにお金を百両持って来て下さいまし、そうすれば屹度(きっと)剥(はが)しましょうとお云いよ
お前さんに万一(もしも)の事があった日には、私(わたくし)が丹誠した事は水の泡になるから取急いで参りましたが、就ては又直ぐ私(わたし)は帰ります、帰るが明日(あす)の夕景までには又私(わたくし)が来られゝば好(よ)し
萩原様に万一(もしも)の事が有りましては私共(わたくしども)夫婦は暮し方に困りますから、百両のお金を下さったなら屹度(きっと)お札を剥(はが)しましょうというと、幽霊は明日(あした)の晩お金を持って来ますからお札を剥してくれろ
万一(もしも)の事が貴方の身にあった日にゃア此の浦賀に相談する者は一人も無(ね)え、何事があっても旦那の処へ駈けつけて往(ゆ)くのに、此の浦賀にお前(まえ)さんが居ないと闇だよ、毎日役所のものが威張り廻って