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ゐにく
見らるゝ樣にて何となく
居惡く成たり
最早江戸の
勝手も
分りたれば
此處に居ず共又外に
宜處は
幾許も有るべしと或時主人久藏に
對ひ我等
豫々日光の御宮を
さ/\
評判高くなり
何と無く
影護くなり此寺にも
居惡く餘儀なく此處を
立退一先江戸へ出ん物と關東を心ざし
東海道をば下りけり
懷ろ
淋しければ道中にても旅人を
害し金銀を
唯暇を
惜しがる
勘次が
何處へでも
鍬や
鎌を
棄てゝ
釣込まれるので
遂惡戯にじらして
見るのである。
殊におつぎが
大きくなればなる
程、
其の
働きが
目に
立てば
立つ
程後妻には
居憎い
處だと
人は
思つた。