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わりまへ
さゝ
身の
煮くたらしを、ほう/\と
吹いてうまがつて、
燒豆府ばかりを
手元へ
取込み、
割前の
時は、
鍋の
中の
領分を、
片隅へ、
群雄割據の
地圖の
如く
劃つて、
眞中へ
埋た
臟もつを
飛鳥もあとを
濁ごすなに候へば、
大藤の
大盡が
息子と
聞きしに
野澤の
桂次は
了簡の
清くない
奴、
何處やらの
割前を
人に
背負せて
逃げをつたなど
〻斯ふいふ
噂があと/\に
殘らぬやう
「
第一、
二人とも
割前が
怪しいんです。」とその
時いふと、お
姉上も
若かつた。