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ほっぽう
北方の
海は、
銀色に
凍っていました。
長い
冬の
間、
太陽はめったにそこへは
顔を
見せなかったのです。なぜなら、
太陽は、
陰気なところは、
好かなかったからでありました。
北方の
荒野の
中に、
犬や
馬と
駆けています。そのものがやがて、
大軍を
率いて
押し
寄せてくるにちがいありません。あの
大きな
星の
光は、その
男の
運命を
現すものでございます。
こうして、いつということなしに、つばめは
北方へ
飛んでいけば、
人間は
自分たちを
保護してくれるものでこそあれ、けっして
害を
加えるものでないことを
知ったのであります。