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べにづる
愛ちやんの
紅鶴が
花園の
他の
側に
越して
行つて
了つてたことで、
其處に
愛ちやんは、それが
空しく一
本の
木に
飛び
上らうとして、それを
試みてるのを
見ました。
それにしても
夕暮の湖の
紅鶴のような、何と
寂しい女だろう。それは
疑もなく、彼の妻だった女である。
愛ちやんが
紅鶴を
捕へて
持ち
歸つた
時には、
已に
鬪ひが
終へて
居て、二
疋の
針鼠の
姿は
見えませんでした
それは
隅から
隅まで
數多の
畦畝になつて
居ました、
其球は
生きた
針鼠、
槌は
生きた
紅鶴で、それから
兵士等は二
列になつて、
緑門を
造る
爲に
手を
擧げ
足を
欹てました。