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ふるぢ
おつぎと
南の
女房とは
相竝んで
勘次に
對して
交互に
打ち
卸す
連枷がどさり/\と
庭の
土を
打つと
硬ばつた
大豆の
幹はしやりゝ/\と
乾燥した
輕い
響を
東隣の
庭からは
大勢が
揃つて
連枷で
麥を
打つて
居る
響が、
森を
透して
夫からどろり/\と
地を
搖つて
聞えた。
隣の
庭では
先刻よりも
更に
勢がついた
樣に
連枷の
響が
囃の
聲を
伴ひつゝ
森を
洩れて
聞えた。