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ひくれ
わしも
此れ
變な
噺だが
勘次さんに
頼まれたやうな
形でまあ
來たんだがね、
昨日の
日暮とかにそれ、そつちこつち
仕たつちことだつけが、
勘次さんもそんなに
惡りい
心持で
云つたんでもねえ
鹽梅だし
桟橋にどかりと
一本大鮪
放り出されてありたり
日暮
「そんぢや
俺ら
今つからでも
曳ける
丈曳くべ」
勘次はおつぎを
連れて
出た。
冬至になるまで
畑の
菜を
打棄つて
置くものは
村には
一人もないのであつた。
勘次は
荷車を
借りて
黄昏までに二
車挽いた。