“はねの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刎退35.3%
跳退23.5%
刎除11.8%
撥退11.8%
反除5.9%
排却5.9%
排退5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
沖田総司おきたそうじは、枕元の刀を掴み、夜具を刎退はねのけ、やまいで衰弱しきっている体を立上らせ、縁へ出、雨戸をそっと開けて見た。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かすか唸声うなりごえが左の隅に聞えたので、彼は其方そのほうへ探って行くと、一枚の荒莚あらむしろが手に触れた。莚を跳退はねのけて進もうとすると、何者かその莚のはしを固く掴んでいるらしい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
洵吉は、大声で叫ぶと、水木に掴みかかろうとして椅子を刎除はねのけた。
魔像 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
年寄はあやぶんで、背後うしろから昆布のような蒲団ふとんせようとすると、これじゃあきたならしくッて折角の馳走ちそうおいしゅうないと、取って撥退はねのけたので、蝶吉が心得て、被ていた羽織を脱いで着せた。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云うから簑笠を反除はねのけますると、情ない死状しにざま
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その声は急にさわがしく、相争あひあらそ気勢けはひさへして、はたはたと紙門ふすまひしめかすは、いよいあやしと夜着よぎ排却はねのけて起ち行かんとする時、ばつさり紙門の倒るるとひとしく、二人の女の姿は貫一が目前めさきまろでぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お島はどうかすると、父親の面差おもざしの、どこかに想像できるような小野田の或卑しげな表情を、いて排退はねのけるようにして言った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)