“はだし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
跣足76.1%
裸足17.1%
3.9%
徒跣1.2%
赤脚0.4%
洗足0.4%
素足0.4%
素跣足0.2%
裸跣0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてぼろぼろの裳衣をつけた跣足はだしのままのその幽霊は、老人の見る前で、花床の間を走り回り、あたりに生命の水をまき散らした。
大海浜だいかいはま宿院浜しゆくゐんはま熊野浜くまのはまなどと組々の名の書いた団扇うちはを持つて、後鉢巻うしろはちまきをした地車だんじり曳きの子供等が、幾十人となく裸足はだしで道を通ります。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
白い衣とそしてはだしであった。宇治を見おろすと鋭い声で何か叫んだ。憎しみにあふれた叫びであった。そしてよろよろと小屋を離れ、宇治の方に近づいた。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
真夏の炎天に笠も手拭てぬぐいも被らず、沖から吹く潮風に緑髪を乱して、胸の乳房もあらわに片手に蝋人形をさも大事相に抱いて、徒跣はだしのまま真黄な、真白な草花の咲いている
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
女はそう言ってくつ穿いて小婢といっしょにあがって往った。許宣もその後からあがったが、それは赤脚はだしのままであった。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そうして大方洗足はだしである。
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「一番最後の人は、落語の『茶の湯』だの『本膳』のように、このひじはどこへ持って行くんです、というのですか。それとも湯屋番みたいに素足はだしで帰しますか」
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
その中から髪を振り乱した素跣足はだしの女が十人ばかり、肉襦袢ばかりの、だらしない姿のまま悲鳴をあげて場内へ逃げ込んで来た。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
頭髪かみのけ垢染あかじみて肌色の分らぬ程黒くなった顔に垂れ下って、肩の破れた衣物きものを着て、縄の帯を占めて裸跣はだしで、口の中で何をかつぶやきながら、何処いずこともなく歩き廻り、外に遊んでいる子供を驚かした。
(新字新仮名) / 小川未明(著)