“とせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トセン
語句割合
渡船64.3%
扉船7.1%
杜選7.1%
塗染7.1%
徒跣7.1%
都船7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一度は村の見知みししの若者の横顔を見世みせの前でちらと見た。一度は大高島の渡船とせんの中で村の学務委員といっしょになった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
私達が着くと間もなく、扉船とせんの上部海水注入孔のバルブが開いて、真ッ白に泡立った海水が、おそろしいうなりを立てて船渠ドックの中へ迸出ほんしゅつし始めた。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
技師は、海水を堰塞えんそくしている船渠ドック門の扉船とせんから五六けんへだたった位置にやって来ると、コンクリートの渠底きょていの一部を指差しながら私達を振り返った。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
彼の幕僚、杜選とせん宋万そうまんの二名は平凡、ひとり豹子頭ひょうしとう林冲りんちゅうなるものこそ英俊えいしゅんと見えた。——林冲はいぜん京師で、近衛軍このえぐんの兵法師範を勤めていた者とか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この梁山泊へ来て宋万そうまん杜選とせん朱貴しゅきなどの仲間を得、いつか七、八百人の頭目にまつりあげられていた者だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曲竹は多く櫽括のだめを施さねばならぬ。撓め正さずして宜いのは、唯眞直な竹のみである。粗木は多く髹漆きうしつ塗染とせんするによつて用をなす。其儘で好いのは、唯緻密堅美な良材のみである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
鷲の眼は忽ち耀かゞやきて、その光は全歐羅巴を射たり。既に倒れたる帝座は、又起ちてペトルスの椅子(法皇座)となり、天下の王者は徒跣とせんしてこゝに來り、その下に羅拜せり。
噺の途中へお化けのでるときは私は都楽とらく都船とせんの写し絵をつかいたい、忍びの術使いのでるときには鈴川一座の日本手品てづまや水芸もつかいたい、時と場合によったら筋の都合で
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)