“ちんば”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チンバ
語句割合
58.1%
跛足16.3%
跛者14.0%
跛脚2.3%
跈跛2.3%
跛人2.3%
跛行2.3%
2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現に夜中隣室の物音にフト眼を覺した若樣が、そつと起きて縁側へ出て見られると、右足のちんばな覆面の男が逃げるところであつたと申す。
昌作は聞かぬ振をして、『英吉利イギリスの詩人にポープといふ人が有つた。その詩人は、佝僂せむし跛足ちんばだつたさうだ。人物の大小は体に関らないサ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
跛者ちんばで醜貌の猪十郎、薬草車を引き出した。美童の紅丸後押しをする。車に添って薬草道人、飄々乎ひょうひょうことして歩いて行く。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大きな汚い風呂敷包と一緒に、章魚たこのように頭ばかり大きい赤坊あかんぼうをおぶった彼れの妻は、少し跛脚ちんばをひきながら三、四間も離れてその跡からとぼとぼとついて行った。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
恐ろしいばかりではない、声を出す力さえなかった。そして跛脚ちんばをひきひきまた返って来た。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
七十にもなりそうな婆さんまでが、跈跛ちんばひきひき前垂に白米を入れて貰いまして、門を出ると直ぐ人並に歩いたには、あきれました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この二人はかつてある跛人ちんばの事でけんかをしたことがあるので今日までも互いに恨みを含んでおこり合っていた。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
跛行ちんばをひいた老小使の弁蔵べんぞうが、深い井戸から水を汲みあげて来ては、その焼け銀杏の根元へ、水をやっていた。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「つまり、動物的敏感というやつですね。私も、あのちんばは置いて行くつもりだった」
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)