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なんねん
この
希望も、たちまち
達せられたのは、十
何年か
前に、
父が、おき
時計を
買った、
古道具屋の
主人が、
有田焼の
大きな
丸火鉢を、とどけてくれたからでした。
……(同族の一老人に對ひて)いや、
叔父御、まま
腰を
下しめされ、
貴下も
予も
最早舞踏時代を
過してしまうた。お
互ひに
假面を
着けて
以來、もう
何年にならうかの?
其有耶無耶になつた
腦裏に、
猶朧朦氣に
見た、
月の
光に
輝し
出されたる、
黒い
影のやうな
此の
室の
人々こそ、
何年と
云ふ
事は
無く、
恁る
憂目に
遭はされつゝ
有りしかと