“てつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手附40.0%
手付31.4%
手容14.3%
鐵器2.9%
手搗2.9%
手様2.9%
手真似2.9%
手突2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「分りませんか。これを御覧なさい」と、ニナール姫は仏像のひざのあたりから、台坐の下まで、なで下ろすやうな手附てつきをしました。
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「あ、まづ手付てつき……ああこぼれる、零れる! これは恐入つた。これだからつい余所よそで飲む気にもなりますとつて可い位のものだ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お庄は振りのような手容てつきをして、ふいとそこを飛び出すと、きまり悪そうに四下あたりを見廻して、酒屋の店へ入って行った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それでヨーロッパの諸國しよこく支那しなのように青銅器せいどうき時代じだいといふものを區別くべつするほどのあひだもなく、すぐに鐵器てつき時代じだいうつつてしまつたのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それはオウストリヤのハルスタットといふところ古墳こふんからされた鐵器てつきが、よくその特徴とくちようあらはしてゐたので、さういふをつけたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
中村から送り届けてよこしたという、母が手搗てつきの餅も喰べた。寧子が心をこめた種々くさぐさの料理も喰べた。屠蘇とそんだ。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おごりっこですよ、小母さん。」お増は器用な手様てつきで札をいたりけたりした。興奮したような目が、ちらちらしたり、頭脳あたまがむしゃくしゃしたりして、気乗りがしなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
自分はその前寄席よせへ行って、よく噺家はなしかがこんな手真似てつきをするのを見た事があるが、自分でその通りを実行したのは、これが始めてである。この手真似を見ていた原さんが、今度はこう云った。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
水矢に二字切の鏑をもちいまするは、ただひとつ伴流の手突てつき水矢にかぎったことでございます。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)