トップ
>
手容
>
てつき
ふりがな文庫
“
手容
(
てつき
)” の例文
「何をぼんやり考えているんです。」とお国は
銚子
(
ちょうし
)
を
銅壺
(
どうこ
)
から引き揚げて、きまり悪そうな
手容
(
てつき
)
で新吉の前に差し出した。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お庄は振りのような
手容
(
てつき
)
をして、ふいとそこを飛び出すと、きまり悪そうに
四下
(
あたり
)
を見廻して、酒屋の店へ入って行った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お銀の手で、青が出来かかった時、じらしていた友人が、
牡丹
(
ぼたん
)
を一枚すんなりしたその
掌
(
てのひら
)
に載せて、
剽軽
(
ひょうきん
)
な
手容
(
てつき
)
でちらりとお銀の
目前
(
めさき
)
へ突きつけて見せた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お作は無器用な
手容
(
てつき
)
で、大きな銚子から酒を
注
(
つ
)
いだ。新吉は刺身をペロペロと食って、けろりとしているかと思うと、思い出したように猪口を口へ持ってゆく。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
父親は山の入った
博多
(
はかた
)
の帯から、煙草入れを抜き出して、マッチを
摺
(
す
)
って傍で莨を喫った。お庄は
髯
(
ひげ
)
の生えたその顎の骨の動くさまや、
痩
(
や
)
せた
手容
(
てつき
)
などを横目に眺めていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
自身二階で時々無器用な
手容
(
てつき
)
をして、ずんどのなかへ花を
挿
(
さ
)
しているのを、お島は見かけた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
隠居は少しふらつくような、細長い首を振り立てて、妙な
手容
(
てつき
)
をした。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭