“つやけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
艶消36.4%
艶気36.4%
光沢消9.1%
光沢4.5%
光沢気4.5%
艶氣4.5%
艷氣4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
艶消つやけしの珠玉のような、なまめかしい崇高美に、私は一眼で魅了されて仕舞った。従妹も伸び上って私の手許てもとの画面に見入った。そして、「まあ。」と嘆声をもらした。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
或時は、もう寡婦で艶気つやけのない、頭髪かみのけの薄い、神経質な女だと思った。私は、女のことを考えているうちに、日が暮れた。
抜髪 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さつきの光沢消つやけしの立派な馬車は
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
この山の上で、私はよく光沢つやけの無い茶色な髪の娘に逢う。どうかすると、灰色に近いものもある。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
のみならずこれからやる中味と形式という問題が今申した通りあまり乾燥して光沢気つやけの乏しいみだしなのでことさら懸念けねんをいたします。
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うしろには綿わたあつい、ふつくりした、竪縞たてじまのちやん/\をた、鬱金木綿うこんもめんうらえて襟脚えりあしゆきのやう、艶氣つやけのない、赤熊しやぐまのやうな、ばさ/\した、あまるほどあるのを天神てんじんつて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
う言つて小池は、自分の住む東京の郊外の村の、せて荒れて艷氣つやけのないのとは違つて、この村のふツくりと暖かさうで、野にも家にも活々いき/\とした光のちてゐるのを思つた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)