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ちうどしま
あの
坂の
上り
口の
所で、
上から
來た
男が、
上つて
行く
中年増の
媚かしいのと
行違つて、
上と
下へ五六
歩離れた
所で、
男が
聲を
掛けると、
其の
媚かしいのは
直ぐに
聞取つて、
嬌娜に
振返つた。
虹に
乘つた
中年増を
雲の
中へ
見失つたやうな、
蒋生其の
時顏色で、
黄昏かゝる
門の
外に、とぼんとして
立つて
見たり、
首だけ
出して
覗いたり、ひよいと
扉へ
隱れたり、しやつきりと
成つて
引返したり