“たゞず”の漢字の書き方と例文
語句割合
佇100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三四郎は此名前を読んだ儘、しばらく戸口の所で佇(たゞず)んでゐた。田舎者(いなかもの)だから敲(のつく)するなぞと云ふ気の利いた事はやらない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
灣口(わんこう)を出(い)づるまで、私(わたくし)は春枝夫人(はるえふじん)と日出雄少年(ひでをせうねん)とを相手(あひて)に甲板上(かんぱんじやう)に佇(たゞず)んで、四方(よも)の景色(けしき)を眺(なが)めて居(を)つたが、其内(そのうち)にネープルス港(かう)の燈光(ともしび)も微(かす)かになり、夜寒(よざむ)の風(かぜ)の身(み)に染(し)むやうに覺(おぼ)えたので
函館の棧橋(さんばし)からそこへ通ふ小蒸汽船に乘つて、暗褐色(あんかつしよく)の波のたゆたゆとゆらめく灣内(わんない)を斜(なゝめ)に横切る時、その甲板(かんぱん)に一人佇(たゞず)んでゐた私の胸にはトラピスト派の神祕な教義と、嚴肅(げんしゆく)な修道士達の生活と
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
のそ/\上(あが)り込んで茶の間(ま)へ来(く)ると、座敷で話し声がする。三四郎はしばらく佇(たゞず)んでゐた。手に可(か)なり大きな風呂敷包(づゝみ)を提(さ)げてゐる。中(なか)には樽柿(たるがき)が一杯入(はい)つてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)