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しん/″\
されば人は
常に
神仏を
信心して
悪事災難を
免れん事をいのるべし。
神仏を
信ずる心の
中より悪心はいでぬもの也。悪心の
无が
災難をのがるゝ第一也とをしへられき。今も
猶耳に残れり。
殊に
娘が十六七、
女盛となつて
来た
時分には、
薬師様が
人助けに
先生様の
内へ
生れてござつたといつて、
信心渇仰の
善男善女?
病男病女が
我も
我もと
詰め
懸ける。
否な、
俗物の
信心は
文学者即ち
御作者様方の
生命なれば、
否な、
俗物の
鑑賞を
辱ふするは
御作者様方即ち
文学者が
一期の
栄誉なれば、之を
非難するは
畢竟当世の
文学を
知らざる者といふべし。