-
トップ
>
-
しつもん
院長は
片手で
頬杖を
突きながら
考込んで、ただ
機械的に
質問を
掛けるのみである。
代診のセルゲイ、セルゲイチが
時々手を
擦り
擦り
口を
入れる。
こんな
質問に
逢ふと、
小六は
下宿から
遊びに
來た
時分の
樣に、
淡泊な
遠慮のない
答をする
譯に
行かなくなつた。
已を
得ず
一時間目の
修身の
講義が
済んでもまだ時間が
余っていたら校長が何でも
質問していいと云った。けれども
誰も
黙っていて下を
向いているばかりだった。