“しえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シエン
語句割合
私怨53.1%
紫煙15.6%
四縁6.3%
肆宴6.3%
賜宴6.3%
詩筵3.1%
私園3.1%
紫鴛3.1%
至遠3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やつらは私怨しえんでわたしに復讐しようとしてるんです。それはやつらが馬鹿だものだから、ちゃんと自分で白状してますよ……さあ、ちょっとごめんなさい!
だけれど、いったん鼻かけ卜斎先生ぼくさいせんせいが煙草の煙をすってだんになると、一方の鼻の穴からは尋常じんじょう紫煙しえんがはしり、一方の穴からでる煙はそッぽへ向かって噴出ふんしゅつする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四縁しえんの和合しておるのだ、幾らお前が食物たべものが欲しい著物きものが欲しい、金が欲しい、斯ういう田地が欲しいと云った処が、ぴたりと息が絶えれば、何一つ持ってくことは出来やアしまい
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
宮殿内の肆宴しえんが主だからこういう云い方になるのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
兄は賜宴しえんからよそへまわったのだろう、九時になっても戻るようすがない、……奈尾は蒼白あおじろい顔をして、居間の小机にもたれたままじっと眼をつむっていた。
合歓木の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
八月中秋には枕山は長谷川昆渓、鈴木松塘、関雪江、植村蘆洲、福島柳圃その他の詩友と橋場の川口屋に観月の詩筵しえんを張った。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それから半月あまりを過ぎて、はすの巻葉もすっかりひろがった五月の十六日、谷中の別園に再び林氏の詩筵しえんが開かれた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
平小次郎将門事、徒党を狩り、暴をふるい、故なく、官田かんでん私園しえんに立ち入り、良民を焚害ふんがいし、国倉を掠奪し、人を殺すこと無数。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
池のあたりを見廻すと、折柄春風に小波が立ち、紫鴛しえん白鴎はくおうが楽しげに飛び交いしている。
ひときわすぐれて目立ちたる定遠ていえん鎮遠ちんえん相連あいならんで中軍を固め、経遠けいえん至遠しえん広甲こうこう済遠さいえんは左翼、来遠らいえん靖遠せいえん超勇ちょうゆう揚威よういは右翼を固む。西に当たってさらにけぶりの見ゆるは、平遠へいえん広丙こうへい鎮東ちんとう鎮南ちんなん及び六隻の水雷艇なり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)