“きはだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
際立53.1%
木肌9.4%
黄蘗9.4%
黄肌鮪6.3%
木膚6.3%
樹肌6.3%
極立3.1%
生肌3.1%
黄蘖3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
襟章えりしやうも赤や緑のやうな際立きはだつた色ではなかつたから、砲兵であつたかも知れない。その男は八の方を見返りもせずに行つた。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
川面の方にいくらか傾いたドロ柳が、雨のあたらぬ木肌きはだを白っぽく見せていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
江戸中の黄蘗きはだを一度にしゃぶらせられた訳でもあるめえし、口の利かれねえ筈はねえ。飯を食う時のように大きい口をあいて物を云え。野郎、判ったか。悪く片附けていやあがると引殴ひっぱたくぞ
半七雑感 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
柳町の裏長屋で……魚頭も鱗もない、黄肌鮪きはだに弱った事は、——前刻さきに言った通りです。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木膚きはだくろずんだ縁や軒などに入染にじんでいるのを懐かしく感ずる以外に、とてもこれ以上簡素には出来ないであろうと思われるほど無駄を省いた落着きのよさが、今がさつな新築の書斎に坐ってみて
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
気候もすでに如月きさらぎ中旬なかば、風はぬるく、樹肌きはだは汗ばみ、月は湯気に蒸されたようにおぼろな晩——有情の天地が人に与える感じも、二十日前の霜針を立てていた頃とは、だいぶ違ってまいりました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうも體のどこもが丸くなるのが——いしきなどが極立きはだつて格好が惡くなつて厭でした。
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
何時のまに如何なる機械によって、かくもすべすべとなまなまと、木地もあらわにめくられ引きむしられたかそれはわからぬ。その生肌きはだが目をつむって来る、仰向いて、観念して。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
黄蘖きはだか何かをうんと塗つた顏、熱つぽい唇や眼など、平次は押して物を訊くのが氣の毒に思ふほどでした。