木肌きはだ)” の例文
その執拗しつような蔓がすっかり木肌きはだにめり込んで、いかにもそれを苦しそうに身もだえさせているのなどを見つめていると、私は無気味になって来てならない位だった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
川面の方にいくらか傾いたドロ柳が、雨のあたらぬ木肌きはだを白っぽく見せていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
これも今はあまり流行はやらないようですが、以前は普通に用いる机は桐材が一番よいと云う事になっていました。木肌きはだが柔らかなので、倚りかかる場合その他にも手当りが柔らかでよいと云うのでした。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)