-
トップ
>
-
きから
『たゞ
無用なる
吾等が、
徒らに
貴下等を
煩はすのを
憂ふるのみです。』と
語ると、
大佐は
急ぎ
其言を
遮り
して、
櫻木君の
一行は
意外の
天變のために、
來る二十五
日拂曉、
橄欖島の
附近にて
貴下等の
應援を
待つのですか、よろしい、
斯く
承はる
以上は
最早憂慮するには
及びません。
艇尾には
色淺黒く、
虎髯を
海風に
吹かせたる
雄風堂々たる
海軍大尉あり、
舵柄を
握れる
身を
延して、『やゝ、
貴下等も
日本人ではないか。』とばかり、
私と
武村兵曹の
面を
見詰めたが