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がらすご
私は
窓の
硝子越しに
海面を
眺めると、
星影淡き
波上には、一二
艘淋し
氣に
泛んで
居る
小端艇の
他には、
此大海原を
渡るとも
見ゆべき
一艘の
船もなかつた。
つつじが急流に燃ゆるような
友染の
長襦袢のかかったのも、その女が向うへ飛んで、
逆にまた
硝子越しに、
扱帯を解いた
乱姿で、こちらを
差覗いているかと疑う。
窻の
硝子越しに
海上を
眺めると、
電光艇は
星の
光を
浴びて
悠然と
波上に
浮んで
居る、あゝ
此艇もかく
竣成した
以上は、
今から
一週間か、十
日以内には、
萬端の
凖備を
終つて