“いんぷ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淫婦64.0%
殷富12.0%
印譜8.0%
婬婦8.0%
印符4.0%
淫夫4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先天的に男というものを知りぬいてその心を試みようとする淫婦いんぷの目とも見られない事はなかった。それほどその目は奇怪な無表情の表情を持っていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
或るときは共に地下の古市に遊ぶに、康衢かうく屋舍悉く存じて、往來織るが如く、その殷富いんぷ豐盛なること、ふみ讀む人の遺蹟を見て説き聞かするところに増したり。
うまいのか不味まずいのか判然はっきりとは解らなかった。印譜いんぷをしらべて見ると、渡辺崋山にも横山華山にも似寄った落款らっかんがない。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
このはなは婬婦いんぷなりしが娘おくま容顏きりやう衆人しうじんすぐれて美麗うつくしく見るものこゝろうごかさぬものなく二八の春秋はるあきすぎて年頃に及びければ引手ひくて數多あまたの身なれども我下紐わがしたひもゆるさじと清少納言せいせうなごんをしへも今は伊達だてなる母を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宜しくわが家に留るべしとして、懇切に迎へ入れしかば、松波喜びて、他日必ず恩を報ずべしとて、印符いんぷを分ちて去りぬ。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女郎にふけり、妻をののしり子を叱りて、放蕩淫乱を尽くすも、婦人はこれに従い、この淫夫いんぷを天のごとく敬い尊み、顔色を和らげ、悦ばしき言葉にてこれを意見すべしとのみありて
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)