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いつしき
桜ばな
暗夜に白くぼけてあり
墨一色の
藪のほとりに
請取川越の地へ歸りけり
跡に皆々此※を
外さず近々に江戸表へ
下らんと用意にこそは
掛ける先呉服物
一式は南部權兵衞是を
請込染物は本多源右衞門
塗物の類は遠藤森右衞門が引請夜を
泥除に
噛りつくまでもなく、
與曾平は
腰を
折つて、
礑と
倒れて、
顏の
色も
次第に
變り、
之では
却つて
足手絡ひ、
一式の
御恩報じ、
此のお
供をと
想ひましたに、
最う
叶はぬ、
皆で
首を
縊めてくれ