一色いつしき)” の例文
それが一色いつしきになつてまはる。しろい棺は奇麗な風車かざぐるま断間たえまなくうごかして、三四郎の横を通り越した。三四郎はうつくしいとむらひだと思つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
殆どどうとか力とかいふ感じを與へない、鼠一色いつしきの靜止の死物であるやうに見えて居ながら、一旦海の境界線と接觸を持つと忽ち一帶の白浪が逆卷き上り
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
桜ばな暗夜やみよに白くぼけてありすみ一色いつしきやぶのほとりに
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)